強い米国特許を獲得するために – 第5回 出願手続き処理のポイント(英語原文付)

米国特許弁護士のポールです。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

5回シリーズで英語原文とともにお届けしている「強い米国特許を獲得するための書類作りのポイント」、最終回です。

今後のトピックスを検討しているところですが、読者のみなさま、米国特許について知りたいことがあれば、どうぞお知らせください。みなさまのご関心のあることについてご紹介できればと考えています。

出願手続き処理のポイント
出願手続き処理のポイント


強い米国特許を獲得するために
第5回 出願手続き処理のポイント

出願審査においては、議論し過ぎない方が良いでしょう。訴追免責(プロセキューション・ディスクレーマー)や禁反言(エストッペル)を避けるため、クレームの補正はできるだけ少なく、意見書での議論はできるだけ簡潔にすべきです。

また、出願審査における文書上の記録を残す機会を減らすよう、審査官とのインタビューもお勧めです。先行技術と区別したり、101条や112条による拒絶に打ち勝つために、必要に応じて、クレーム補正をします。意見書が拒絶に対応していることを確認し、発明自体については可能な限り議論しないようにします。

先行技術について議論では明確な言及をしないようにします。審査官は強力な先行技術であることに気付かないことがあります。そのような場合には、その強力な先行技術が認識されるであろう訴訟の場において特許の有効性に対する攻撃を避けるため、クレームを追加したりします。その目的は2つです。ひとつは請求の範囲を広げること。そして、一方では、特許が付与された後に相手方からの特許無効化攻撃を避けるためです。

お読みいただきありがとうございました。
5回シリーズの最終回、いかがでしたでしょうか。

ご質問・コメントや、今後のトピックスについてリクエスト等ございましたら、下記フォームか、Eメールでお知らせください。(英語でいただけると嬉しいです。)

第1回 概観
第2回 明細書を書くときのポイント
第3回 クレームの内容を書くときのポイント
第4回 クレーム、侵害ポイントを書くとき
第5回 出願手続き処理のポイント

英語原文:
Part 5 of 5: Prosecution Considerations

During prosecution, the less said, the better. Claim amendments should be as few as possible, and arguments should be as brief as possible, to minimize prosecution disclaimers and estoppels. I may recommend interviewing the Examiner to reduce written comments in the prosecution record. I may amend claims if it is necessary to distinguish the claims from the prior art or to overcome a 101 or 112 rejection. I make sure arguments address the rejection, and if possible refrain from discussing the invention itself. I make sure unequivocal phrases are not used when discussing a prior art reference. Sometimes Examiners do not recognize a strong prior art reference. In such case, I may add claims that would insure against a validity attack in a lawsuit, where the strong prior art reference is likely to be recognized. The objective is two-fold: 1 Broaden the scope of the claims on the one hand; and 2 Preclude an opponent from invalidating the patent after the patent is granted on the other hand.

Part 1 of 5: Strong Patent, Generally
Part 2 of 5: Writing the Specification;
Part 3 of 5: Writing the Claims, Content of claims;
Part 4 of 5: Writing the Claims, Infringement Considerations;
Part 5 of 5: Prosecution Considerations.

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